不動産売却において気を付けるべき点は?売却の流れについて

不動産の売却は、人生で滅多に経験しないことです。売却プロセスについての詳細や注意点がわからないという方も多いはずです。不動産を後悔せずに売却するために、契約の進行や実際のケースを含めて、注意すべきポイントについて説明します。不動産売却に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。

不動産売却における注意点

不動産売却における注意点は、手続きの段階に応じて異なります。
以下、不動産売却において気をつけるべきポイントを説明します。

不動産査定を依頼する際の注意点

複数の査定を受ける場合でも、査定価格は近隣の似たような物件や市場動向に基づいて算出されるため、大きな差は期待できません。
しかし、査定価格だけでなく、査定会社の信頼性や提供する根拠を確認しましょう。
査定価格を含めて、対応や査定の根拠に納得した場合に不動産会社を選びましょう。
媒介契約を結ぶためだけに、それらしい根拠を並べて他社より高い価格を提示する会社も存在しています。結果として適正価格での販売が難しく、当初の査定価格よりも大幅に低い金額での売却となってしまうケースも多いです。

契約の締結と手続きに関する注意点

契約を締結し、不動産の売却手続きを進める際には、契約書や法的手続きについて注意深く確認しましょう。不明確な点があればその都度、その業者の担当へ質問しましょう。
不動産売却は様々なプロセスを伴います。自身の状況に合わせて慎重に行動し、不動産会社と協力して行うことが大切です。全て自分で確認する必要はありません。
しっかりとサポート、説明してくれる不動産会社かどうかは、査定の時点でも確認しておくことが大事です。

媒介契約を締結する際の注意点

媒介契約を締結する際、3つの異なる契約形態があります。各契約形態には異なる内容が含まれています。自身の状況やニーズに合わせて、どの契約形態が最適かを検討しましょう。
媒介契約の種類は以下の通りです。

  一般
媒介契約
専任
媒介契約
専属専任
媒介契約
契約できる不動産会社の数 複数社
(定めなし)
1社のみ 1社のみ
契約期間 定めなし 3か月以内 3か月以内
不動産会社を通さず自分で買主を見つける行為
(自己発見取引)
可能 可能 不可
売主への定期報告 報告の
義務なし
2週間に
1回以上
1週間に
1回以上
レインズへの登録義務 登録の
義務なし
契約から
7日以内に
要登録
契約から
5日以内に

それぞれの契約形態によりメリットデメリットが存在します。
こちらも自分の売却都合に合うかどうかを確認して、契約形態を選びましょう。
契約形態によってはすぐに変更することができず、違約金が発生する場合もあります。

内覧時や売買契約における注意点について

内覧時の注意点

内覧時の印象は購入の意思に影響します。内覧希望者が物件を見る前に、掃除を行い、玄関、リビング、水回りなどをきれいにしましょう。内覧の申し込みが少ない場合、広告の魅力が伝わっていない可能性や価格設定が適切でない可能性が考えられます。不動産会社と相談して、広告内容や掲載写真、価格を見直すことが大切です。

売買契約を締結する際の注意点

不動産の売買契約において注意すべき点は以下の通りです。

1. 契約不適合責任

基本的に売主は引渡し後の数か月間、契約不適合責任を負うことになります。
例として建物の場合は、給排水管の故障やシロアリの害に対する修復責任を負います。この期間に修復を怠り、買主の催告に応じない場合、売買契約が解除される可能性があり、違約金を支払う必要が生じることがあります。
なお、状況によって「契約不適合責任」を免責、つまり負わないという特約をつけることも可能です。その際は価格や条件について、不利にせざるを得ない場合も多いです。
後から相談するとトラブルになる場合が多いので、査定時に相談することをお勧めします。

2. 状況の告知・主要設備の保証

これまでの事故や周辺上について、買主へ告知の義務があります。知っていながら告知しない場合、それが原因で契約に至らない、または解約や違約となってしまう場合があります。
建物は主要設備に関して、契約書付属の設備表の故障・不具合の欄に「無」が記載された場合のみ修復責任を負います。事前に告知や不具合の有無について、確認しましょう。

3. 契約解除

契約解除には4つのタイプがあり、ローン解除、手付解除、違約解除、契約不適合責任による解除が含まれます。これらの解除条件と違約金については契約書で詳細が定められています。

不動産売買契約は法的な手続きが伴います。契約書をよく理解し、分からない事がある場合は、担当営業に確認しましょう。

物件引渡し時における注意点について

1. 必要書類の準備

引渡しに向けて必要な書類は、主に本人確認書類(免許証など)、印鑑証明書、住民票などになります。これらの書類は引渡し時に必要となります。

2. 仲介手数料の支払い

仲介手数料は一般的に引渡しの際に残金で支払います。これに備えて十分な資金を用意しましょう。通常は買主から受け取る残代金からお支払いいただくことが可能です。

3. 確定申告

不動産売却によって利益が出た場合、所得税がかかることがあります。売却年度の翌年の2月中旬から3月中旬に確定申告が必要です。税金の計算や申告作業には時間がかかることがあるため、予めスケジュールを確認し、必要な手続きを進めましょう。

4. 引渡し時の立会い

引渡しの日には、売主、買主、不動産会社の担当者などが立ち会います。引渡しの際には物件の状態を確認し、鍵の受け渡しや書類の署名を行います。細かい引渡し手続きについて、担当者と事前に調整しましょう。

5. 複数の見積もり

残置物の処分や、新たな家への引っ越しもある場合、引渡し前に引越し業者や運送業者から複数の見積もりを取り、引越し計画を立てるのも忘れないようにしましょう。

不動産の引渡しは大きなプロセスであり、慎重な計画と調整が必要です。プロフェッショナルなアドバイスや不動産会社のサポートを受けることが役立つでしょう。

不動産の売却は専門的な手続きが多く、疑問や不安が生じることがあります。売却活動中や契約締結前に、何か疑問や不安があれば、担当者に遠慮せずに質問しましょう。また、物件に関する細かな問題や不具合についても、事前に相談して解決策を見つけることが大切です。

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